闇を抱える蝶と光輝く龍

強行突破は無理そうだし、殺気出して気絶させるのもちょっと気が引けるから


ここは媚び売る芝居でもするか


「え？こ、洸龍だったのぉ？知らなかったぁ。みんなかっこよくてイケメンですねぇ。あ、わたしぃ、倉庫いってみたいなぁー。連れていってもらえませんかぁ？」


出来るだけ猫なでで甘ったるい声で言ってみた


自分でやって置いてあれなんだけど、かなり気持ち悪い声だったと思う


私の声を聞いたとたん空気が一変した


晴「結衣ちゃんは違うと思ったけどやっぱり一緒か」


尚「期待して損したー」


舜「…すみませんがもう関わらないでください」


陸「…これだから女は嫌なんだよ」


よし！効いてる効いてる


これで上手く引いてくれれば


そう思った瞬間


桐「その芝居やめろ」


桐人がはっきり言い放った


「な、なんのことですかぁ？」


桐「芝居してるのバレバレだ」


やっぱり…こいつは気づくかなって思ってたんだよね


桐「舜、陸は気づいたけど合わせたんだろ？」


舜「……ええ。面白かったですし」


陸「…女と関わるなんて絶対嫌だからな」


マジ？この2人も気づいてたの？


晴「え？今の芝居？でもなんのために？」


尚「そうだよ。わざわざ芝居する必要あった？」


双子は意味がわからないらしい


桐「さぁな。そこまでは俺も知らねぇよ」


すると一斉にこっちを向いた


視線が痛いな


舜「どうして芝居をしたんですか？」


あなた達と関わりたくないからよ！


なんて言ったら余計話がややこしくなるよね


どうしようか考えていると


晴「あ、言いたくないなら言わなくていいよ！」


双子の内の一人が明るく言った


え？


尚「ただ、気になっただけだしね」


双子のもう一人も笑顔で言った


舜「無理に言う必要はありません。僕達も言いたくないこと一つや二つはありますから」


真面目くんはそう言って微笑んだ


なんだ意外といい人たちじゃん


一人無口な人いるけど


そう思っていたら