闇を抱える蝶と光輝く龍

結衣の発言に男達は混乱しているみたいだった


すると


ガラガラ…


お父さんと慶にぃが病室に入ってきた


「あ、お父さん、慶にぃ」


賢「結衣、目覚めたんだな」


慶「とりあえずひと安心だな」


「ねぇ慶にぃ。この人達知ってる？結衣の事知ってるみたいだけど」


結衣がそう言うと


慶「…あぁ。その事は後で話す。お前らちょっといいか？」


慶にぃは男子達を連れて廊下に出てしまった


何か大事な話かな？


賢「結衣、何で病院にいるか分かるか？」


色々考えていたらお父さんがそう聞いてきた


「うーん。そういえば何で結衣病院にいるの？病気なの？それとも交通事故に巻き込まれたとか？」


なんか不安だな


賢「そうか。その記憶もないのか」


お父さんがなんか言っていたけど小さすぎて聞こえなかった


賢「結衣、信じられないかもしれないがお前は記憶をなくしている」


「…え？記憶をなくしているって本当？」


全く実感ないんだけど


賢「あぁ。全ての記憶をなくしている訳ではないがある一部の記憶をなくしているらしい」


ある一部の記憶。それはなんだろう？


いきなりのカミングアウトに驚いていたら


ガラガラ…


さっき廊下に出た慶にぃが戻ってきた


「慶にぃ。あれ？さっきの人達は？」


慶「帰った。それより、記憶喪失の事は聞いたらしいな。その事を踏まえてお前はアイツらの事知りたいか？」


「…うん。よく分かんないけど心配してくれてたみたいだし知らないままは申し訳ないから」


慶「そうか。分かった。信じられない話かもしれないが落ち着いて聞けよ？」


「う、うん」


慶にぃは深呼吸をひとつしてから話した