闇を抱える蝶と光輝く龍
ガチャ


尚「結衣ちゃん、入って」


尚くんがドアを開けて結衣を入れてくれた


「あ、ありがとう」


尚「いいえ」


中はスイートルームみたいだった


おかしいな。やっぱり初めて入った気がしない


むしろ懐かしいような気がする


すると初めから席が決まっているかのようにそれぞれ席に座った


残ってるのは…


桐人くんの横だけ


ってことは結衣は桐人くんの横に座ればいいのかな


桐人の横に座った瞬間


ズキッ


「うっ…」


激しい頭痛がした


桐「結衣!?どうした?」


桐人くんの声がするけどなかなか声が出ない


すると頭の中に映像が流れた


『あーまたビリだー!』


『結衣ちゃん。速すぎ!追いつけなかった』


流れたのは結衣と尚くんと晴くんがゲームをしていて


晴くんがゲームに負けて悔しがってて


尚くんが驚いている姿だった


これって結衣の記憶?


映像が流れ終わると頭痛も収まった


桐「結衣、大丈夫か?」


「う、うん。大丈夫。それより晴くん、尚くん質問していい?」


晴 尚「「なーに?」」


「結衣ここで晴くんと尚くんと一緒にゲームしたことある?」


そう尋ねるとみんなが目を丸くした


晴「ゆーちゃん、記憶戻ったの?」


「そうじゃないけど、さっき頭痛がした時その映像が流れて」


尚「そうなんだ。確かに結衣ちゃんと晴と僕でゲームしたことあるよ」


晴「ゆーちゃんが初めてここに来たときだよ」


そっか。じゃああの映像は結衣の記憶で間違いないってことだよね


桐「他には何か思い出したか?」


「ううん。ただ晴くんたちとゲームした時の映像が流れただけ」


桐「そうか。でも、記憶を取り戻す事はできそうだな」
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