闇を抱える蝶と光輝く龍
まぁ、席のことはいいとして


私は疑問を口にした


「どうして転校してきたの?」


雪「だってこの方が結衣と一緒にいられるし、時間も合わせやすいと思ったから」


そうだけど


桐「はぁ。まさかお前らが転校して来るとはな。とりあえず。今から学校案内するか?」


類「うん。お願いします」


晴「違うよ!ゆーちゃんのためにするんだよ」


尚「まぁいいじゃん。夢蝶にも結衣ちゃんにも案内できて一石二鳥でしょ」


そんなこと話していると


?「結衣ちゃーん!」


ギュッ


え?


誰かに抱きつかれた


晴くんとは違うしそれに女の子の声だった気がする


?「退院おめでとう!思ったより元気そうでよかった。ずっと来るの待ってたよ」


「えーっとありがとう。それで悪いんだけど名前教えてもらっていい?」


紗「あ、記憶ないんだったね。私は栗原紗奈。結衣ちゃんとは文化祭で友達になったんだよ」


栗原…紗奈


そういえば事情知ってる子だってみんな言ってたね


紗「それより、結衣ちゃん転校生とも知り合いなんてすごいね」


すごいのかな?


晴「あの、栗原さん。悪いんだけど今から学校案内するからそろそろ話し終わらせてほしいんだけど」


晴くんが申し訳なさそうに言うと


紗「学校案内?私も一緒じゃダメですか?」


尚「え?栗原さんも?それは…」


尚くんは桐人くんを見た


桐「俺は構わねぇけど。聞くなら陸と夢蝶に聞くべきだろ」


晴「そうだね。いい?」


陸「…多分、大丈夫だと思う」


翔「結衣の友達ならいいと思うけど」


翔くんがみんなを見ると他のみんなも頷いた


それで紗奈ちゃんも一緒に行くことになった


雨の時に使う空き教室やたまに授業で使う教室など色々なところを見せてもらって最後に来たのは


桐「ここが洸龍の学校での溜まり場。屋上だ。大抵はここで過ごすな。」


へぇ。意外と広いな


みんな入っていくけど紗奈ちゃんは動かない


「紗奈ちゃん?どうしたの?」


紗「あ、私は仲間じゃないから入っちゃいけないと思って」


え?そうなの?


「…ダメなの?桐人くん?」


そう言うと


桐「バーカ。ダメだったら学校案内の時に断るだろ」


ん?いいの?悪いの?


尚「つまり入っていいってことだよ」


紗奈ちゃんは驚きながらも「ありがとうございます」と言って入った


結衣も屋上に足を踏み入れると


ズキッ


あ…きた…でもいつもより痛い


「うぅっ…いたい…」


桐「結衣!?大丈夫か?落ち着いて」

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