闇を抱える蝶と光輝く龍
すると頭の中に映像が流れた


『あ、結衣ちゃん。おはよう』


『って言ってももうお昼だけどね』


『結衣。お前に聞きたいことがある』


『お前は、何者だ?』


ここまで流れると一旦切れまた違う映像が流れた


『うーん!やっぱり屋上は最高だね!』


『本当!なんか解放感あっていいよね!』


『誰も来ませんから静かですしね』


『一番いい場所だな』


『……(コクン)』


するとまた切れ違う映像が流れた


『お前ら!結衣を困らせんじゃねぇよ!』


『ねぇ、あれって』


『うん。間違いないよ』


『……世界No.2』


『銀龍の現総長』


『三国…慶…さん』


その後なにか話してたが全部は聞こえなかった


『結衣、無理に聞こうとして悪かった。話せるようになるまで俺たちも待つ』


体育着でハチマキしてるから体育祭かな?


するとまた映像が変わった


『やっぱり、ここにいた』


『ゆーちゃん。どうしてここに?』


『教室に戻ったらみんながいないからここかなって思って』


『…結衣、何かあったか?』


『え?なにもないよ?』


みんなコスプレしてるから文化祭かな?


それからここの結衣なんか隠してるみたい


そこで映像が終わり頭痛も収まった


桐「結衣、大丈夫か?まだ痛いか?」


「もう大丈夫だよ。かなり思い出があるみたいで結構映像が長かっただけだから」


晴「そうなの?どんなのがあった?」


「警戒されてるのと、仲良く屋上に来たのとハチマキしてるのとコスプレしてるのかな」


舜「推測ですが、多分一番最初に会ったときのと、友達になってから屋上に来たときのと、体育祭で昼ごはん食べてたときのと、文化祭で休んでいたときの記憶でしょうか?」


「うん。あってると思う」


さすが、舜くん。鋭いというか勘がいいのかな?


それより結衣は一つ疑問に思ってた


どんどん記憶が蘇ってるのは分けるけど


でも、結衣は覚えてない


これって戻ってるっていうのかな?


陸「…結衣、何か考え事?」


「陸くん。あのね記憶が蘇ってるけど結衣がその事を思い出したわけじゃないの。ただ頭が映像を流してるだけ。だからこれって記憶が戻ってるっていうのかな?って思って」


結衣が思い出して映像が流れるならまだしも思い出してないのにただ流れてるだけじゃ意味がない。


桐「結衣、ネガティブに考えるな。例えそうだとしても記憶が蘇ってるのは事実だ。それはいいことだと俺は思う。だって結衣の脳も記憶を取り戻したいって思ってるってことだからさ。だから頑張ろうぜ」


桐人くん…


そうだよね。諦めたらダメだよね


絶対記憶を取り戻してみせる


結衣は気を引き締めた
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