闇を抱える蝶と光輝く龍
【桐人 said】


結「桐人くん!!危ない!!」


結衣はいきなりそう言って俺の前に立った


グサッ


するとすごく嫌な音がした


「ゆ…い…?」


結衣を見るとお腹を刺されていた


また俺のせいで結衣が…


俺はその後、我を失い刺した男を殴り続けた


許さない…許さない…許さない…


晴「ん……くん!……きーくん!それ以上やったら死んじゃうよ!」


尚「桐人!今は殴るより結衣ちゃんの事優先して!」


陸「…こいつらの事は俺らが片付けとくから」


三人の声が聞こえ俺は我を取り戻した


「…わりぃ。頼むな」


少しして救急車が来て俺も一緒に乗って病院に向かった


病院に着くとすぐ結衣は手術室に運ばれ俺はその前で静かに待つことになった


くそっ!まだ記憶が戻ってねぇのにこんなことになるなんて


俺があの男の存在に気づいていたら


俺一人でバイク運んでいれば


明るいうちに帰っていれば


みんな「桐人!」


頭を抱えているとみんなが息を切らしながらこっちに向かってきた


晴「きーくん!ゆーちゃんは?」


桐「…まだ手術中」


晴「…そっか」


舜「いったい何があったんですか?」


類「僕たち意味がわからないんだよね」


翔「晴達が様子見に行ってからすぐ尚が戻ってきて『結衣ちゃんが刺された!』って言っただけだからな」


桐「…実はバイクを運び終わってみんなのところに向かおうとしたら、どこの奴か知らねぇけど不良に囲まれてることに気づいた。それでそいつらを倒してた。全員倒したと思ったんだけど一人だけまだ意識があってそいつがナイフ持って俺を刺そうとしててそれを…結衣が庇って…」


翔「また…庇ったんだ。記憶がなくてもやることは一緒か」


類「結衣らしいけどね」


快「結衣は自分より仲間優先するからな」


雪「…少しは自分の事も大切にして欲しい」


ほんとその通りだ


相原組のときだって自分を犠牲にして俺たちを守った


なんで結衣はいつもいつも自分を後回しにするんだ


自分の事も大事にしろよ
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