闇を抱える蝶と光輝く龍
「……うっ!……いった……」


目を覚ますと私は暗い部屋に横たわっていた


まだ首筋が痛い


はじめてだったけどあれは多分スタンガンだと思う


はっ!そういえば陽菜姉さんは?


周りを見渡すけど陽菜姉さんはいなかった


陽菜姉さんは助かったのかな?


それならそれでいいのだけれども


とにかく誰もいないうちに逃げないと


そう思っていると


ギィ


ドアが開いた


陽「結衣!よかったぁ。無事で」


陽菜姉さんがほっとした顔をしていた


「陽菜姉さん?なんでここに?」


陽「私は帰る途中に結衣が倒れたからどうしたのかと思って駆け寄ろうとしたの。そしたらいきなり首筋がビリリリってして気を失っちゃって…。気がついたらここにいてってそんなことはどうでもいいから、誰もいないうちに出よう」


陽菜姉さんは私の右手を引きここから出口に向かった


?「おやおや、どこかにおでかけですか?お姫様?」


出口にもう少しのところで後ろから声がした


振り返ると一人の男性が私たちを見ていた


「誰?」


?「俺?俺はー…まぁ、夢蝶を憎む者と名乗っておこうかな」


夢蝶を憎む者?


夢蝶と敵対している族なのだろうか?


男「それよりも姫が二人揃ってここから出ようとするなんて勇気があるね」


男はそういいながら私たちに近づいてきた


男「まぁ、逃がす気なんてないけどね?」


男はそう言うと私と陽菜姉さんの腕をつかみ私が元いた部屋に連れ戻された


くそっ!もう少しで出れたのに…


男「さて、二人とも目が覚めたことだしそろそろ総長さんに電話しようかな」


そう言うと男は陽菜姉さんのスマホを片手に持っていた


男「えーっと総長の連絡先は…おっ、あったあった」


そう言って男は電話をした

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