闇を抱える蝶と光輝く龍

プルルルル、プルルガチャ


葵『陽菜、今日は倉庫にいるって言わなかったか?今下っ端に聞いたらいないって…』


男「はじめまして、夢蝶の総長さん?いや、久しぶりっていうべきかな?」


葵『てめぇ、誰だ?』


男「ひどいなぁ。元仲間の声忘れるとか総長失格じゃない?」


元仲間?じゃあ、この人は前に夢蝶にいた人?


葵『お前、まさ…か…十夜(とうや)か!?』


十夜?こいつの名前か?


十「そうだよ。久しぶりだね。葵」


葵『なん…で、十夜と陽菜が一緒にいるんだよ』


十「そんなの簡単だよ。お前をここに誘き出すため」


葵『十夜…陽菜にはなにもしてねぇだろうな』


こんな葵さんの声はじめてだ


十「うーん…スタンガンで気絶させたくらいしかしてないよ。今はね」


葵『十夜ーー!』


十「あ、そうそう。ついでに一緒にいたもう一人の姫さんもいるからね」


葵『もう一人の姫?』


十「とぼけても無駄だよ。今ここにいるから」


あ、この人私を姫と勘違いしてるんだ


「あの、私は姫じゃないです。幹部候補です」


そう言うと


十「…本人は幹部候補って言ってるけど」


葵『幹部候補…結衣か!」


十「へぇー。結衣ちゃんって言うんだ。いいこと聞いちゃった」


葵『…十夜、結衣と陽菜に何かしたら許さねーからな』

十「何かされたくなかったら早く場所を見つけることだね。でも、手がかりなしだとこっちも楽しくないから一つヒントあげる。ヒントはここは俺が総長代理してる族の倉庫。これだけ。じゃあ、頑張って見つけてね。姫と結衣ちゃんが壊れる前にね」

ピッ


そう言って十夜という男は電話を切った

< 276 / 357 >

この作品をシェア

pagetop