闇を抱える蝶と光輝く龍
【桐人said】


晴「ねぇ、ゆーちゃん遅くない?」


尚「うん。もう10分経ってるよね?」


雑誌を読んでいた俺は晴と尚の声に顔を上げた


「結衣がどうかしたか?」


尚「桐人。さっき結衣ちゃんが外に出るって言って外に行ったんだけど、もう10分経ってるのに戻ってこなくて」


結衣が外に?


「誰か一緒に行ったのか?」


尚「いや、たぶん誰も一緒じゃないと思う」


その時俺は嫌な予感がした


なんだこの胸騒ぎは


プルルルルル


その時俺のケータイが鳴った


ディスプレイを見ると


“結衣”


結衣からだ


ピッ


「おい!結衣いまどこだ?」


電話に出ると


?『どーも、洸龍の総長さん?』


電話の相手は結衣ではなく男の人だった


「お前、誰だ?」


?『俺は翠月【すいげつ】5代目総長のレイジでーす』


「す、翠月!?」


俺の言葉にみんな集まってきて俺はケータイをスピーカーに切り替えた


翠『お宅の姫さんを預かりました。返してほしければ、翠月の倉庫に来てくださいねー』


ピッ


すると電話は切れた


クソッ!初日にこんな事になるなんて


晴「ゆーちゃんが拐われたなんて」


舜「しかも、姫と勘違いされたとなると翠月みたいな族がなにもしてないとは思えませんね」


尚「じゃあ、早く助けないと‼」


「あぁ。舜、翠月の倉庫はどこだ?」


舜「今調べてます」


舜はパソコンのキーボードを素早く打っていた


カチ


舜「出ました。倉庫はここです」


舜は画面を見せた


「よし、行くぞ」


俺たちは急いで倉庫に向かった


結衣、無事でいろよ


【桐人said end】
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