闇を抱える蝶と光輝く龍
え?陽菜姉さんが生きている?


「う…そだよ。だって陽菜姉さんはあの事件の時に襲われてそのショックで死んだって噂があった」


葵「実はその噂を流したのは俺たちなんだ」


「…え?」


何でそんな嘘を?


咲「陽菜をあの族から守るにはこの方法しかないと思ったんだ。陽菜の顔はもうバレてるし、俺たちがこのまま族を引っ張っていくのも厳しいからな」


葵「だから族を結衣に任せて俺たちは陽菜を匿う方に専念することにした」



そんな…じゃあ陽菜姉さんは今もどこかで生きてるの?


葵「それと、もう一つ言っとく。暁斗は結城の兄だ」



全員『え!?』


類「あ、暁斗さんが晴の兄?」


晴「確かに名前一緒だし年も一緒だけどでも、そんな素振り一度も…」


咲「まぁ、知らなくて当然だ。暁斗が夢蝶に入ったのは家を出た後だからな」


葵「とにかく百聞は一見にしてなんとかだ。今二人呼ぶから待ってろ」


そう言うと葵さんはドアを開け


葵「暁斗ー、陽菜ー来てくれー」


すると階段を駆け上がる音が二つ聞こえて


ガチャ


暁「久しぶりだな。結衣、翔、類、快、雪。そして初めまして、洸龍の皆さん。いつも弟がお世話になってます」



晴「…兄さん、夢蝶の幹部だったんだ」


尚「…でも、夏休みの時と雰囲気違うよね?」


暁「あぁ。あの時はパーティーの帰りによったからね。服装も違ったし髪もセットしてたから」


すると遅れて入ってきたのは


陽「結衣…ごめんね。私のせいで」


私が会いたくて謝りたくて堪らなかった


陽菜姉さんだった
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