闇を抱える蝶と光輝く龍
空き教室に着き、私は小声で舜に話した


「冬休みのスキーの旅行で尚、陸、晴に告白されたの」


舜「!三人にですか!?」


「うん。私もビックリしたけど」


舜「そんなことがあったとは…で、返事はしたのですか?」


「…尚と陸には断ったよ。仲間でいたいからって。晴のことも断ろうとしたら晴は諦めないからって、これからは大胆にアプローチしていくからって言われちゃって今こんな感じになったの」


話し終わると舜は驚きの顔した後


舜「そうですか。安心しました」


なぜか胸を撫で下ろしていた


なんで安心したのかな?


理由が大したことじゃなかったからかな?


ちょっと不思議に思ってると


ガラッ…


紗「結衣ちゃん、おはよう」


紗奈が空き教室に訪れていた


「おはよ。って紗奈?なんで分かったの?」


紗奈は私が記憶をなくしたときにこの場所を教えたけど今ここにいるとは伝えてないし、あの時は雨の日だけって言ってたからここに来るのはおかしい


舜「僕が言いました。今はここにいると」


ええ!?なんで舜が?


晴「しーくん、いつの間に栗原さんと連絡先交換したの?」


尚「意外!舜ってあまり連絡先とか教えない方だと思ってた」


尚と晴はこれでもかってくらいに目を見開いていた


桐「…連絡先の交換の事はどうでもいいが、なぜここに呼んだ?ここは学校での洸龍の溜まり場ってことは知ってるだろ。いくら結衣の友達とはいえ部外者にここに入れるなんてどういうつもりなんだ?舜」


桐人はいつもより低い声でいい舜を睨んだ


舜「…勝手に呼んだことは謝ります。しかし、紗奈は部外者ではありません」


ん?


今、舜“紗奈”って言った?


前まで“栗原さん”って呼んでたよね?


桐「部外者じゃないってどういう事だ?」


舜は桐人にそう言われると一回紗奈と目を合わせて頷きあったあと深く深呼吸した


舜「…僕と紗奈は、付き合っています」


…え?


舜と紗奈が付き合ってる?


晴「え?嘘!?いつの間に?」


尚「全然気づかなかった。いつから?」


陸「…なんか意外」


ほんとビックリした。まさかこの二人がカップルになるなんて


紗「実はその舜くんの両親と私の両親が古い友人みたいで、勝手にお見合いの話し進めていて冬休みに無理矢理お見合いさせられたの。でも、話してみるとなんか色々と話が合うし趣味の話をしている舜くんがすごくかっこよく見えてそれで私から告白したら舜くんも同じ気持ちだったみたいで付き合うことになったの」
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