闇を抱える蝶と光輝く龍

姫になります

ー翌朝ー


私は朝早く目が覚めてしまった


まだ5時30分か


水を飲みながら時間を潰そうとしていると


ピンポーン


チャイムの音がした


「はーい」


ドアを開けると


晴「あ、よかった。ゆーちゃん起きてた。みんなもう集まっているから一緒に行こう?」


晴が迎えに来てくれた


みんなもう起きたんだ早起きだな


そんなこと思いながら私は桐人の部屋へ向かった


ガチャ


晴「きーくん。ゆーちゃん連れてきたよ。」


晴が桐人の部屋のドアを開けて言った


桐「サンキュ。じゃあ結衣も来たから話するか」


するとみんな真剣な顔になった


桐「昨日のことで結衣が洸龍の姫だと噂がかなり広まってる。舜が調べただけでもほとんどの族がその噂を信じてる」


え?そうなの?私違うって言ったのに。


くっそー!翠月め!


心の中で翠月を恨んだ


桐「で、結衣。ここからが本題だが洸龍の姫、洸姫(こうき)になってくれないか?」


え?またその話?


舜「噂は族だけでなく、学校や裏の世界にも広まっています。それも全国No.1の洸龍は僕たちの代になってから姫がいない時期が続きました。その洸龍に姫ができたとなれば尚更広まります。今から修正するのは難しいですし、それに結衣さんを一人にするとまた拐われる危険性があります。危険から守るには姫になってもらった方がこちらとしても守りやすいということになりました」


確かにそうかもしれないけど


晴「これはゆーちゃんのためでもあるんだ」


尚「勝手なのはわかってる。でも、お願い‼姫になって」


あ、でも


「陸は賛成してるの?女嫌いなんだよね?」


陸を見ると


陸「……お前なら平気。それに一人で行動されてまた拐われたら困るし面倒」


うーん…これは陸なりに心配してるのかな?


でも、あくまで私は夢蝶の総長だし


それに私は守られていい人間じゃないのに


どうしようか悩んでると


桐「結衣」


桐人が私の名前を呼んだ


桐「お前が何に悩んでるかは分からない。が、俺らはお前を守りたいって思ってる。噂が収まるまででもいい。だから頼む。俺たちにお前を守らせてくれ」


桐人が私に頭を下げた


私は守られていいのかな?


人を見殺しにしたのに…


でも、噂が収まるまでなら


「………分かった。でも命はかけないでね」


これだけは守ってほしい


桐「分かった」


桐人は了承した


ごめんね。舞


少しだけ彼等といさせてね

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