闇を抱える蝶と光輝く龍
…ん?もしかして尚が伝えたいことって


「尚、もしかして俺が結衣のこと好きってことを伝えたかったのか?」


すると尚は息をついて


尚「そうだよ。逆にそれ以外になにがあるの?」


なるほど。それなら今までの意味の分からない言動にも辻褄があう


だが


「尚、俺は結衣が好きってことはずいぶん前に自覚している」


尚「え?そうなの?じゃあ、なんでその思いを結衣ちゃんに伝えないの?」


「…そんな簡単に出来るかよ。もし、振られたらって考えると…多分俺立ち直れねぇと思う」


俺は今までこんなに執着した事はなかった


俺をこんなに夢中にさせるのは今までもそしてこれからも結衣だけだ


尚「桐人の気持ちは分からなくもないけど、でもこのままだとどこかの誰かに取られちゃうよ。結衣ちゃんは人気なんだから」


誰かに取られる?


確かに結衣はいろんな奴に好かれているとは思うが


「それはないだろ?結衣を狙ったらどうなるか…もうほとんどの奴が知ってるだろうし」


洸龍や夢蝶から引き抜くなんて自殺行為だ


尚「そうでもないよ。例えば…夢蝶の幹部とか晴とかに取られるかもよ?」


晴…そうだった


いろいろあって忘れてたが晴は旅行のときに告白してたな


暴れながらだけど


でもその後からすごくアプローチしてるようにも見えた


それに夢蝶の幹部達も結衣には甘かった気がする


可能性は薄いけどあり得なくはない


尚「桐人、後悔する前に伝えたら?」


「あぁ。そうだな」


恐れてばかりではダメだ


例えダメだったとしてもそしたら努力して振り向かせてやるだけだ


「ありがとな。尚」


尚「いいえ。頑張ってね!桐人」


俺は尚のそのことばを聞き結衣の元に向かった


尚「ほんとに世話が焼ける。今の結衣ちゃんは桐人のことしか恋愛対象としてみてないのにね」


尚がそんなこと言ってることには気づかなかった


【桐人said end 】
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