闇を抱える蝶と光輝く龍
―翌朝―


ピピ…ピピ…ピピ…ガチャ


「ん~もう朝か」


そういえば最近は目覚まし壊さなくなったな


少しは成長できてるのかな?


そんなことより早く着替えないと


私は制服に着替え朝食を食べてると


ピンポーン


ん?もう時間だっけ?


時計を見ると


まだお迎えの時間より20分早い


誰だろう?


モニターを見ると


晴だ


私は玄関を開けた


「晴?どうしたの?まだ時間じゃないよ」


晴「ゆーちゃん、その前にまずはおはようでしょ?」


え?そこ突っ込む?


まぁ、いいか


「お、おはよう」


晴「うん!おはよう、ゆーちゃん」


「で、なんで早く来たの?」


晴「あ、それは昨日きーくんに変なこと言われたの」


桐人に変なこと?


「何言われたの?」


晴「昨日きーくん栗原さんにゆーちゃんが急用で寮に帰ったって聞いてすぐ走っていったんだ。で、多分ゆーちゃんの所に行ったんだと思って僕も寮に向かったんだ。でも、インターホン鳴らしても出ないからドアノブ回したらあいたから部屋に入ったの」


また勝手に入ったんだ


晴「そしたらね、なんかきーくん何かを諦めた顔で『晴、結衣のこと頼むな』って言われたの。僕はきーくんもゆーちゃんの事好きなはずなのにこんなあっさり諦めるなんておかしいなって思ったんだけど、それ以上何も聞けなくなって。だからゆーちゃんなら何か知ってるかなって思って」



それって絶対私が嫌いって言ったからだよね


「……昨日桐人と少し言い合いになってつい勢いで嫌いって言っちゃったの。それを真に受けたんだと思う」


晴「え?言い合いなんて珍しい。いったいなにがあったの?」


晴は心配そうな目をしながら言った


言って…いいのかな?


しほって子のことは誰にも話してないみたいだし、それにあれは私の問題だから


「大した話しはしてないの。桐人が話したいことがあるって言ってたけどその時私が頭の中整理しきれてなくて冷静な判断が出来なくてつい勢い任せなことを言っちゃったの」


もう桐人が迎えに来ることも、バイクに乗せてくれることも、話しかけてくれることもないのかな?


はぁ。私ってバカだ
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