闇を抱える蝶と光輝く龍
慶「なぁ、結衣」


刑務所を出たあと慶にぃが私に声かけた


「なに?」


慶「俺、母さんの結衣に会社を継がせたいって思いは叶えたいと思ってる」


私が、お母さんの会社を継ぐ?


「でも、私は組長にならなきゃいけないんだよ。それに加えて社長なんて」


慶「もちろん両方やれなんて言わない。俺が三国組を継ぐ。だからお前には社長になってほしいんだ」


それって私たちの役目を逆にするってこと?


慶「父さんは結衣の方が向いてるって言ってたらしいけど俺は結衣には日の当たるところで生きてほしい。これ以上暗闇には引き込みたくないんだ」


「でも、それじゃあ、慶にぃが―」


慶「俺は三国に生まれた時点で覚悟はしてた。どんなに抗ってもヤクザの家であることは変わらない。なら、死ぬまで夜の住人として生きてやるってな」


慶にぃ…


慶「結衣は十分頑張ったし十分耐えたんだ。だからこれからは幸せになってほしい。なるべく危険な目には遭わせたくねぇんだ」


慶「それと、母さんは言わなかったけど、お前を黒潮学園に転入をお願いしたのは俺だ」


「え!?そうだったの?」


てっきりお母さんの思い付きだと思ってた


慶「洸龍の噂は学校で聞いてたからな。姫がいないことも仲間の事を大切にすることもな」


そうだったんだ


慶「だから、もしかしたらアイツ等なら結衣を闇から救い出せると思って転入させたんだ。予想通りいや、予想以上に結衣を変えてくれたけどな」


私、変わったかな?


自分じゃ分からないけど慶にぃが変わったっていうならそうなのかもね


「ありがとう。慶にぃ」


慶「おう。それで俺は家に帰って父さんと話し合うつもりだけど結衣はどうする?倉庫に戻るか?それとも寮?」


うーん…倉庫に戻ろうかな?心配してるかもしれないし


そう言おうとしたら


~♪


あ、メールだ


スマホを見ると


お父さん?珍しいな


メールを開くと


『結衣~夜にごめんね~。ちょっと話しがあるから家にきてね。待ってるよ~』


相変わらず変なメールだけどふざけてるってことは組関係の話じゃないね


慶「メール誰から?」


「お父さんから。話があるって。組関係の事じゃないっぽいけど」


慶「そうか。じゃあ、一緒に帰るか」


「うん。その前にちょっと夢蝶に電話していい?」


慶「もちろん。どうぞ」


私は翔に電話した

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