闇を抱える蝶と光輝く龍
―翌日―


私は夢蝶の倉庫にきていた


下1「あ、結衣。お疲れさま」


下っ端達『お疲れさま』


「皆おつかれ。今日幹部って誰かいる?」


下1「えーっと確か翔と雪と紗奈はいるよ。類はコンビニで快は洸龍でゲームしてくるって」


快…ちゃんと連絡していったかな?


まぁ、最近は特に変な動きしている族はいないから大丈夫だと思うけど


「分かった。私も上行くね」


下1「了解!」


そして幹部室に入った


ガチャ


翔「お!結衣。来たんだな」


紗「結衣ちゃん!会いたかったー」


翔は驚いたものの笑顔で向かえてくれて


紗奈は抱きついてきた


「会いたかったって昨日も会ってたでしょ?」


紗「でも、お披露目の後は下っ端達と話してたし後で話そうと思ったら途中で帰っちゃったからあまり話せなくてなんか物足りなかったんだ」


そうなんだ


「あれ?雪は?」


いるって言ってたよね?


翔「雪は部屋。静かに本読みたいんだと」


ふーん。珍しいな


翔「それより今日はなんかあったか?」


「…いや、何もないけどちょっと考えたいことがあって。家だと慶にぃとかお父さんがうるさいから考えられなくて」


翔「考えたいこと?」


「…お母さんに言われたことが気になって。我を忘れず思いは言葉にして冷静な判断を怠るなって言われたの」


翔「ふーん。今の結衣と桐人に聞かせたい言葉だな」


「え?なんで私と桐人?」


翔「昨日言っただろ?お前は勘違いしてるって。結衣は今、冷静な判断できてない。自分が見たものだけで勝手に彼女がいると思い込んで話しも聞かずに突き放したじゃん」


確かに桐人から直接言われた訳じゃない


ただ、言われるのが怖くて逃げただけ


翔「多分桜さんも結衣が悩んでることを察してそう言ったんだと思う。回りくどい言い方だけど。簡単に言えば、言いたいことや聞きたいことは直接相手に聞いた方がいいってことじゃないのか?結衣らしく素直にな」


そっか。我って私らしさの事だったんだ


そういえば陸も言ってた私が部屋を出る前に


『結衣、自分には素直にね』


あれって自分の気持ちに素直にって意味なのかも


紗「結衣ちゃん。実は私も気になって昨日、電話で舜くんに一ノ瀬くんに過去に彼女がいたかどうか聞いたの。そしたら、族に入る前にも後にも彼女の気配はなかったって言ってたの。それに、一ノ瀬くんは嘘が下手だからいたらすぐに気がつくって。昔から一緒にいた舜くんが言うんだから間違いないと思うよ」


紗奈も調べてくれてたんだ


「ありがとね。色々調べてくれて」


紗「え?いや、ちょっと気になったから舜くんに聞いただけだよ。お礼言われることじゃないよ」


それでも嬉しかった
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