闇を抱える蝶と光輝く龍
良かった~


1位でゴールできた


ほっと胸を撫で下ろしていると


ダダダダダ…


ん?誰かこっちに走ってきてる


振り替えると同じ競技に出ていた尚が少し嫌そうな顔をして走っていた


尚、どうしたんだろう?


尚は審査員に紙と手に持っていた物をみせて


2位でゴールした


「尚、お疲れ。お題なんだった?」


少し気になったので聞いたら


尚「…お題ね、ヘアピンだったの。しかもキラキラしたやつ」


そう言って紙を見せてくれた


紙には


“キラキラしたヘアピン”


確かにそう書いてあった


「でも何かいやな顔してなかった?」


尚「だって、これ凄く香水の香りがするから。僕、香水は苦手なんだ」


そういうことか


確かにヘアピンって女子しか持ってないしね


香水の香りがしても不思議じゃない


尚、ドンマイ


私は心の中で言った


その後競技が終わって陸にすぐ指輪を返したのは言うまでもない
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