絶望するにはまだ早い!!
「お、おいしい」
思わずそう呟いた私の横で、ズッコケるように派手なパフォーマンスをしてみせる女性。
あまりにも大きな動作だったため、店内からの視線を一気に集めてしまっている。
けれどそんなことは気にもせず、大きな溜息を一つ溢した。
「あ、あの・・・・・・」
どうしたって気になる、溜息の理由。
それをどう聞こうかと思案している間に、女性は何を思ったのか、先ほどまで私が口を付けていた方のジョッキを手に持ち、そのまま自らの口元へと運んでいく。
「えっ、あっ、ちょっと」
ジョッキ間違ってますよと言う間もなく、そのまま中身を煽るように飲み干した。
飲み干したジョッキをテーブルにドンッと音を立てて置いてから、しきりに首を捻っている。
私はそれを呆気に取られながらも見届けた上で、聞いてみた。
「あの、どうかしました?」