絶望するにはまだ早い!!





運転は慎重な方だと思う。


のんびり走る帰り道は、なにかと気忙しい朝とは景色が違って見える。


ゆっくりと家路を楽しみつつ、職場で荒んだ心をフラットに戻す。


その作業を経てからじゃないと家には入れない。


そんな風に思い始めたのは、いったいいつからだっただろう。


会社で上手く喋れなくなったのは、いったいいつからだっただろう。


その空気を引きずったままじゃ到底生きてなどいけないと思ったのは、いったいいつだっただろう。


考えれば考えるほど、息を吸うのが辛くなる。


だからと言って考えるのを止めてしまえば、今度は息さえ吐けなくなって。


その繰り返しで、どんどん顔が下を向いていった。





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