甘い脅迫生活



そして何度私が優雨との関係を意識しないでいいですよと言っても、人は遠慮してしまう生き物なようで。



特に所長と副所長は、がっつり意識してしまっているようだった。



でもそこはもう、諦めるしかないわけで。少しだけ、寂しいけど。


「せんぱーい、これ、数字間違ってません?」

「え?」



さえちゃんは変わらずいつもの感じで。


「ああ、確かにそうだね。凄いな、よく気付いたね?」

「見てりゃ分かりますよ。もーこいつあいつでしょ?外のあの女。先輩の陰口叩いてる暇あったらちゃんと仕事しろって感じ。」

「ははは。」


毒舌なのも、相変わらずです。


「これ、私が言ってくるね。」

「えー私が行きますよ?」



そこは、首を振って断った。さえちゃんならちゃんとやってきてくれるだろうけど……


「大丈夫ですので。」

「ええー。」


一言、多そう。


不満顔のさえちゃんを置いて、書類を持って席を立った。



この配送部は、2つの役割に別れている。


私がいるのは事務系。所長を筆頭に主に事務作業をする人で構成されている。といっても、所長と私とさえちゃんだけなんだけど。




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