甘い脅迫生活




女性の4個差は、こんなにも違うのかと、打ちのめされる。


社長も私なんかを選ばないでこういう可愛い子を選べばいいのに。



なんて。社長が本当に私を好きで選んだかも分からないのに、何を考えちゃってるの、私。




「さて、頑張る。」

「待ってます!お弁当!」


さえちゃんの可愛いガッツポーズに笑みを返して、パソコンに向き直った。




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「お疲れ様でしたー。」

「お疲れー。」



さえちゃんに背を向けて、最寄駅を目指す。社長は仕事が終わったらと書いてたけど、結局来ず。といっても堂々と迎えに来られても困るんだけど。


もしかしたら、社長の仕事が終わったらかな?なんて思いつつ歩いている自分にハッと気が付いた。


私、待ってない?いやいやいやいや、待ってなくてよくない?


昨日のは、落ちてきたぼたもち。突然のラッキー休み。私は婚姻届けなんて書いてないし、脅迫もされてない。今日は、シュシュのシフトは入ってない。


だからどっかでご飯を食べて、本屋にでも寄って家に帰るんだ!



謎の気合いを入れて、止まっていた私の足は力強く第一歩を踏み出した。



「奥様、お迎えに参りました。」

「……。」


とすぐに、あっさりとこけたんだけど。




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