暴走族の姫 Ⅰ

悠side















え？兄？誰の？私の？
















「く、詳しいことは中でお聞きします。」

















沙羅はそう促して、私の兄であると主張するその人に倉庫に入ってもらっている。
















「ゆ、ゆき。」
















急に足の力が抜けた…。
















「悠ッ!大丈夫か？大丈夫じゃねぇな。俺の部屋まで運ぶからそれまで我慢な。」
















倉庫に入ると皆が帰ってきたと思ったら顔色が真っ青な私が優喜に抱かれているのを見て心配してくれる…。

















「悠さん!?大丈夫ですか!?」
「ｸｿｯなんなんだよあいつ。あいつのせいだろ悠さんが倒れたのって。」
「じゃあそいつ殺してきます！」




















いや、言うことが過激すぎるよ…。

















でも、優しい…。

















こんな多人数に、気にかけて貰えるなんて、私はなんて幸せ者なんだろう…。
















沙羅が招いた倉庫の客間に本当に入っていきそうな子達を麗が止めていた。