バレンタインデーキス
ただ、ただそれでも、私は理央に気持ちを伝えたい。

好きって気持ちを、好きって2文字を。


「……好きな人でもいるの?」


告白した子が口を開く。

好きな人、いるのかな?理央に。


「はい」

あ、いるんだ……。


失恋って、こういうことなのかな……?

小さい頃からずっと、ずっと見てきたんだけどな……。


私は唇を、ギュッと噛んで、俯いた涙をおさえる。


「それって、南さん?」

思いがけない名前。


まさか、そんなことあるわけない。

そんなこと、あるわけ……。


「はい」
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