バレンタインデーキス
その感覚は、長年ずっと味わって来たことだから。

「じゃあね!明日からは、また友達としてよろしくね!」


彼女は走って去っていった。

出ていくべきか、この場を離れるべきか考える。


するといつの間にか、理央が帰ろうと廊下を曲がる。


そしたら勿論、私とバッタリだよね?

「みっ、南っ!?いつから聞いてた!?」


驚いて、裏返った声で理央は言う。


「ちょっといいかな、の辺りから……」

うわっ、最初からかよ~、と、ヘナヘナしぼむように座り込む。


顔を真っ赤にさせて「好きな人って聞いた?」と鬼気迫る風に言う。


聞いた……、と私も返す。
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