バレンタインデーキス
顔をそらせて、私にキスをした。

「!!?」


「……お返し」


私も、理央も、茹でタコみたいに真っ赤っか。

私たちはお互い目を逸らして、真っ赤な顔をなんとか冷やす。


「理央……」

「何、南……」


目を合わせることはなかった。

けど、私の小さな手と、理央の大きな手。


重ね合わせる。


理央の体温が私に、私の体温が理央に、伝わる。

私たちは、繋がる。


「「好き……」」


重なって響く言葉は、甘くて甘くて溶けちゃいそうだ。

fin
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