バレンタインデーキス
「あのね、私……理央くんのことが……」


出ていきたい。

それでこの告白を止めてやりたい。


でも、この子はちゃんと勇気を出して告白してるんだ。

いつでも告白するチャンスがあるのに、好きの2文字も言えない私が、そんなこと出来るんだろうか。


私は唇を噛みしめた。


「ずっとずっと好きでしたっ!もしよかったら、つっ、付き合ってくれませんか……?」

私はやっと気がついた。


この子がとても震えていることに。


声だけじゃない。

体も小さく震えてる。


この子は、今、最大限の勇気を出して、気持ちを伝えているんだ。
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