執筆中


窓から見られるのはもう散りかけの桜。

もうすぐ葉桜になるんだろう。

爽やかな風が吹く晴れた日の朝。



バンっ!!!


大きな音ともに誰もいない空き教室の隅にあるロッカーに追いやられ。


私の顔の真横には大きな手。

そして瞳に写っているのは金に近い茶髪。

清々しいほど澄んでいる綺麗な瞳。



でも片方は眼帯をしてて。



その綺麗な肌に不釣り合いな大きな絆創膏がいくつも貼ってあって。


薄くて清潔感溢れる、でも少し熟れた果実のように色づいた唇。



あまりの近さに彼の息遣いが感じられる程で。



でもその片方から覗く目は鋭く尖ってて。



私はごくんと生唾を飲み込まずにはいられなかった。

不覚にもドキドキする胸。



「おまえ、自分がどーいう状況なのか分かってる?」




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