執筆中
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「梨花〜起きなさい」
お母さんのうるさい声。
まだ寝かせてよ、、今日はお休みでしょ?
バンっとドアが開き仁王立ちのお母さんが。
「だから今日からお母さん、北海道って言ったばっかでしょ!?」
...あ、そうだった。
今日から移転なんだったね。
私はベッドから立ち上がると階段を降りた。
「あ、お母さんもう行かなきゃだから。ちゃんと家のことするのよ?何かあったら電話してね、あと美穂ちゃんとこの子供さん、もうすぐ家来ると思うからちゃんとしてね」
美穂ちゃんって言うのはどうやらお母さんの職場の同僚さんの名前らしい。
早口でそれだけ言うとスーツケースを持つお母さん。
「じゃ、行ってくるわね」
「行ってらっしゃい、気をつけて」
はーい、とまるで1週間旅行に行くみたいな軽いノリで出ていった。