小学生みちる
 レッスンが終わり、ふと、俊夫が見えた。
その時、真唯は何故かふつふつと怒りが込み上げてきた。
俊夫がレッスンに来るはずない、そう思った真唯は俊夫に駆け寄った。
「ねえ!何でここにいんの、ここに来んなって言ってるの!お母さんの時もそうだったし、
何で、そんな笑顔でいられんの!あんたなんか父親じゃなければよかった!」
そう言うと真唯の腕を俊夫がとっさに掴んだ。
 「真唯、あの時は私は手術を受けるように言ったんだ。母さんが受けないと言って...。
そっか、じゃあもういい 余命3ヶ月とこれで母さんとこにいける。」
そう言うと離れた。
なんとなく、父親ではない雰囲気があった。
母親から水無月という人が父親と聞いたことがある。
「あの、もしかして叔父の水無月俊夫さんですか?」
それを聞いた俊夫は泣き崩れ、そうだといった。
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