透明ジェラシー

「……何で。何してんの。入学式も来なくていいってこの前言ったよね」


低くて重たい声が自然と出る。お母さんは困ったように口を軽く開けて眉尻を下げた。


「卒業式もそうだったけど、どうしてそんなに来て欲しくないの?何が嫌なの?」


千桜ちゃん?と私に似た唇が言う。


あーあーあー……。


「––––––––うるさいっ!親まで来たら恥ずかしいのっ。ただでさえ自分の顔がこんななのに、ブサイクな親まで来たらもっと恥をかくのっ!!」





––––––––もっとブサイクだって言われるの!!





そう叫んだ瞬間、はっとした。目を大きく開けて固まるお母さんを見て、私も言葉が出なかった。


言うつもりはなかった。
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