透明ジェラシー

そんなこと思っているのは、お母さんとお父さんだけだよ。それ以外の人たちは、そんなこと全然思っていないんだよ。

私自身だって、思っていないのに。


のそりと上半身を起こし、気まずくて目を合わすことが出来ず、短い自分の爪を見つめた。


ごめん––––––––と、本当は私が先に言わなければならなかった言葉を言おうした、けれど、


「あと、これ」


それを遮ったお母さん。

真っ赤なリボンでラッピングされた淡いピンク色の巾着袋を見せる。

いまだに黙ったままの私に「ほら来て」と催促するから、重たい体を動かしてそれを受け取った。


リボンを解き開ける。中身を出す前に、巾着の口から見えた「それ」に、私は軽いショックと衝撃を受けた。
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