透明ジェラシー
第一章 欠落品と魔法の鏡


「可愛くなりたい」


雨で濡れた窓ガラスに映る、ぼやけた自分の顔。今日はより一層酷く滑稽に見える。


光のない濁った瞳。
小さくて腫れぼったい一重まぶた。
横に広がった形の悪い鼻。
上下厚い唇。
決して綺麗とは言えない肌。

おまけにスタイルも悪い。


私を飾る全てが「欠落品」なのだ。


何でこんなにもブサイクなのだろう。


毎日見たくもない自分の顔を鏡の中で見ながら思う。思っては考えて消えたくなる。どこから見たって、誰が見たってブサイクな自分が存在していることに疑問を抱く。


もっと可愛く生まれたかった。誰にでも愛される可愛い女の子に生んで欲しかった。


大好きだった「白雪姫」のように……。
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