透明ジェラシー
深い眠りから覚めたような、そんな倦怠感があった。
あ、と小さく呟いた。そう言えば、「あれ」は一体何だったのだろう。やっぱり夢だったのかな。自暴自棄になって妄想を膨らませすぎたんだ。きっとそうだ。
「もう、よかったわ。中々起きないから心配したのよ」
「……ごめんなさい」
「本当によかった。でも千桜ちゃん。制服シワだらけじゃない。急いでアイロンかけないと時間がないわ。ほら脱いで」
すっかりシワだらけになったスカートを見つめながらぼそっと言った。
「……行かない」
あんな大勢が集まる場所で醜態なんて晒したくない。真ん中なんて歩けない。もう頑張れない。嫌われ役ももう嫌だ。
それに私、お母さんに酷いこと言ったんだよ?なおさら行けないよ。