透明ジェラシー

自分の容姿を気にするようになったのは、中学一年の初夏だった。きっかけは当時好きだった同じクラスの男子に告白したことだった。


『好きです。よかったら付き合ってください』


めちゃくちゃ緊張しながら勇気を出して告げたけれど、あっけなくフラれた。


『うわ、マジかよ。そんなキモい顔でよく告白とか出来るよな』ないわー、とまるで汚いものでも見るような目つきで私を射る男子。『みんな言ってるぞ。超ブスだ、って』

『え……』

『うっそ、気づいてなかったのかよ。うわー、マジかー。それもキモ』


おかしそうに笑う男子を目の前に、私は声すら出なかった。呆然と口を半開きにしていた。


今まで容姿など気にしてこなかった自分を恥じた。
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