アマイロのリボンを掛けて
暫くして数字を入れ終わり

寝息のような呼吸が聞こえて隣を見ると…
椅子に器用に丸まって紅子がハムスターのように丸まって眠っていた

(ヤベ…)

夢中になりすぎて時間はもう10時を回っていた

そろそろフロアの電気もエアコンも消されてしまう

慌てて書類をまとめ荷物を手にして
紅子を揺り動かす

「紅子、紅子、ごめん…終わったよ!お待たせ、帰ろ?」

「ん…あ、わたひこお、おめん…」

私こそごめん、かな

眠いのか呂律が回っていない

抱き抱えるように立たせてやると…

(え……熱っ!)

紅子の身体がヤケに熱いことに気が付く…

そう言えば目も潤んでトロンとしているし
どうやらぐったりしている

「大丈夫かよ……」

「らいろーぶ」

大丈夫?ってことか?

にカッと笑って見せても
やはりぐにゃりとして力なく再び紅子は椅子に丸まった……

(…これは電車無理だな)

とタクシーを呼んだ

「あ、そうだ」

長い箱も鞄に入れて…



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