君が好きなんて一生言わない。
「俺はもう少し。明後日までにやらないといけないことがあるから」


明後日学校に来賓が来る。それまでに学校の玄関に植木鉢を整え、綺麗に整えなければならないらしい。

それが園芸部に与えられた学校側からの仕事なのだそうだ。

その量はとても一人では終わらないと、素人の私でも分かった。

黙々と作業を続けようとする先輩の姿に私は居てもたってもいられなくなって、思わず「椎先輩」と名前を呼んだ。


「私、明日もここに来ていいですか」


「え?」


先輩は目を丸くしてひどく驚いた表情をしていた。


「手伝わせてください」


先輩がひとりきりだって知って、寂しそうで、一緒にいたいって思ったんだ。

それに先輩と一緒にいると胸の中にぽっかり空いた穴がふさがっていくような心地がして、それがどうしてなのかも。

けれど理由はどれも言えなくて、心の中で呟いた。


「お願いします」


すると先輩は溜息を吐いて「ほんと、一度言い出したら止まらない」と小さな声で言った。


「え?」

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