君が好きなんて一生言わない。
麗と再会してから気付いたのは2つ。
ひとつは、今もまだ麗は母親を失ったこととそれ以前の記憶が戻っていないこと。
もうひとつは、引き取られた親戚からかなりひどい扱いを受けていること。
麗が虐められているらしいことは、教科書を破られたところから知っていた。
その相手が親戚で、同じ家に住む美紅という女の子だと知ったときには驚いた。
あの日、おばさんの葬式で会ったことのあるつり目の女の子。麗と同い年だとは知っていたけど、まさか同じクラスだとは知らなかった。
そして、食生活。
昼休みを空き教室で一緒に過ごすようになってから、麗の昼ご飯がいつもおにぎり1個であることを知った。
「ダイエット中なので」と麗は言っていたけど、すぐに嘘だと分かった。
麗のためのお弁当は、おそらくあの家では用意されることがない。
例えば麗に自由に使えるお金があったとして、その金額がとても少なく、昼ご飯に使えるお金が一日当たり百円程度だったなら。
そう考えれば納得がいく。
けれど麗は笑っていつも誤魔化していた。
俺に心配をかけまいと思っているのか、分からないけど。
だけどそうやって俺と距離を取ろうとするのが、やっぱり辛かった。
守らせてもくれないのかと思えた。
でも結局俺は守れなかった。
ひとつは、今もまだ麗は母親を失ったこととそれ以前の記憶が戻っていないこと。
もうひとつは、引き取られた親戚からかなりひどい扱いを受けていること。
麗が虐められているらしいことは、教科書を破られたところから知っていた。
その相手が親戚で、同じ家に住む美紅という女の子だと知ったときには驚いた。
あの日、おばさんの葬式で会ったことのあるつり目の女の子。麗と同い年だとは知っていたけど、まさか同じクラスだとは知らなかった。
そして、食生活。
昼休みを空き教室で一緒に過ごすようになってから、麗の昼ご飯がいつもおにぎり1個であることを知った。
「ダイエット中なので」と麗は言っていたけど、すぐに嘘だと分かった。
麗のためのお弁当は、おそらくあの家では用意されることがない。
例えば麗に自由に使えるお金があったとして、その金額がとても少なく、昼ご飯に使えるお金が一日当たり百円程度だったなら。
そう考えれば納得がいく。
けれど麗は笑っていつも誤魔化していた。
俺に心配をかけまいと思っているのか、分からないけど。
だけどそうやって俺と距離を取ろうとするのが、やっぱり辛かった。
守らせてもくれないのかと思えた。
でも結局俺は守れなかった。