君が好きなんて一生言わない。
聞き覚えのあるその声に首だけ振り返ると、そこには見知った後輩が夕陽を浴びて立っていた。


「…こんなところで、どうしたの」

「先輩がここにいるの、見つけたので来ました」

「そっか」


俺はそう返事をして体ごと彼女に向ける。



「俺に何か用事があるんだね」



決意に満ちた顔をしている彼女に呼びかける。








「紗由ちゃん」











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