君が好きなんて一生言わない。
「先輩なら、どうしますか?」
視線を落としてその先のココアを握りしめる。
「もし、大切な友達には好きな人がいるって知ってて、偶然その友達が好きな人に告白してる場面に出会したら」
それがもし、自分も好きな人だったら。
答えはきっと山ほどある。
算数の問題みたいに単純明快でひとつだけ答えがあるわけでないとは分かってる。
だけど手も足もでないこの状況下でどう動いたらいいのか見当もつかない。
高くそびえるこの壁を、人はどうやって越えていくのだろう。
顎に手を当てて真剣に考える先輩は「そうだな」と唸った。
「俺なら、頑張れって応援してしまうけどな」
「応援、ですか」
「自分の友達が好きなやつに告白するなんて、一世一代の大勝負。応援してやりてーって思うな」
歯を見せて先輩は笑う。
この人の友達はきっと幸せだと思わずにはいられなかった。
「けど、それは友達の好きなやつとは違うひとが好きな場合だな」
「え?」
目を点にする私に「そりゃそーだろ?」と先輩は真面目な顔をする。
「自分が本当に大事に思ってるひとに友達が告白するんだ、とられるかもしれねーだろ?手放しで喜べるわけがない。
もし喜んでやれるんなら、それはもう本当の"好き"じゃない」
視線を落としてその先のココアを握りしめる。
「もし、大切な友達には好きな人がいるって知ってて、偶然その友達が好きな人に告白してる場面に出会したら」
それがもし、自分も好きな人だったら。
答えはきっと山ほどある。
算数の問題みたいに単純明快でひとつだけ答えがあるわけでないとは分かってる。
だけど手も足もでないこの状況下でどう動いたらいいのか見当もつかない。
高くそびえるこの壁を、人はどうやって越えていくのだろう。
顎に手を当てて真剣に考える先輩は「そうだな」と唸った。
「俺なら、頑張れって応援してしまうけどな」
「応援、ですか」
「自分の友達が好きなやつに告白するなんて、一世一代の大勝負。応援してやりてーって思うな」
歯を見せて先輩は笑う。
この人の友達はきっと幸せだと思わずにはいられなかった。
「けど、それは友達の好きなやつとは違うひとが好きな場合だな」
「え?」
目を点にする私に「そりゃそーだろ?」と先輩は真面目な顔をする。
「自分が本当に大事に思ってるひとに友達が告白するんだ、とられるかもしれねーだろ?手放しで喜べるわけがない。
もし喜んでやれるんなら、それはもう本当の"好き"じゃない」