君が好きなんて一生言わない。
はっと顔を上げると目の前でその教科書はバラバラになって散った。


私は目を見開いた。


その様子を見て美紅ちゃん達は笑う。

心底可笑しそうに笑う。


「あ、もう行かないと次の授業に遅刻するじゃん!」

「やば、先生に怒られる!」


ギャハハと騒ぎながら美紅ちゃん達は教室を出て行った。

ひとり教室に残された私はバラバラになった教科書をかき集めた。


…どうして私がこんな目に遭わないといけないんだろう。


私が何をしたって言うんだろう。


私はただここでみんなと同じように生きているだけなのに



ただそれだけなのに。



思わず泣きそうになった時、声が聞こえてきた。





「ひどいことする人がいるもんだね」






顔を上げて廊下を見ると、そこにはいるはずのない人物が立っていた。


「…椎先輩…?」


どうして、先輩がこんなところにいるの。

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