君が好きなんて一生言わない。
「もう、こんな時間なんですね」
先輩と一緒にいる時間はあっという間だ。
私は軽くなったコンビニのビニール袋を持って、先輩はからっぽになったお弁当箱を持って、それぞれ空き教室を後にする。
空き教室を出る時、胸がちくりと痛んで現実に引き戻される感覚がする。
「じゃあ、またね」
「はい、また」
いつも一緒にご飯を食べると約束しているわけではないから、「また明日」とはお互い言わない。
あまくてやさしい夢の時間の終わりを告げるこの言葉は、少しほろ苦い味がする。
遠くなる先輩の後ろ姿を見つめながら、また明日も会えますようにと心の中でそっと願った。
それから帰宅して夜寝る前に、いつもは滅多に鳴ることのないスマホが震えてメッセージが着たことを伝えた。
『バスケ部の試合のことだけど、朝10時に正門前で集合しよう』
椎先輩からのメッセージ。
絵文字も記号も何もない、必要なことだけを端的に書いたその文章は椎先輩らしくて何だか少し笑ってしまう。
返信することもあまりないから、なんて書いたらいいか迷って、結局送ったのはこんな文章だった。
『了解です。楽しみにしています』
送信ボタンを押す、指先が震える。
先輩と一緒にいる時間はあっという間だ。
私は軽くなったコンビニのビニール袋を持って、先輩はからっぽになったお弁当箱を持って、それぞれ空き教室を後にする。
空き教室を出る時、胸がちくりと痛んで現実に引き戻される感覚がする。
「じゃあ、またね」
「はい、また」
いつも一緒にご飯を食べると約束しているわけではないから、「また明日」とはお互い言わない。
あまくてやさしい夢の時間の終わりを告げるこの言葉は、少しほろ苦い味がする。
遠くなる先輩の後ろ姿を見つめながら、また明日も会えますようにと心の中でそっと願った。
それから帰宅して夜寝る前に、いつもは滅多に鳴ることのないスマホが震えてメッセージが着たことを伝えた。
『バスケ部の試合のことだけど、朝10時に正門前で集合しよう』
椎先輩からのメッセージ。
絵文字も記号も何もない、必要なことだけを端的に書いたその文章は椎先輩らしくて何だか少し笑ってしまう。
返信することもあまりないから、なんて書いたらいいか迷って、結局送ったのはこんな文章だった。
『了解です。楽しみにしています』
送信ボタンを押す、指先が震える。