君が好きなんて一生言わない。
自室に戻って布団に潜り込み、先輩のメッセージをもう一度読んだ。


『俺も楽しみ』


…ねえ、先輩。

先輩がくれた、たったそれだけの言葉で、私は明日の夢を描けるんです。

先輩の何気ない言葉は全部、私の宝物、希望なんです。


そんなこと、きっと先輩は想像もしないだろうけど。


そこまで考えて、ふっと笑みがこぼれた。

それから目を閉じて、また思い出す。


『ほんと、麗ちゃんがいてくれて良かったよ』


まどろむ意識の中で響く先輩の声は優しくて、おばさんに言われた悲しい言葉も全部拭い去ってくれた。

おばさんに散々言われた後だけど、今日はいい夢が見れるかもしれない。


穏やかな意識のまま、私は眠りの底に落ちた。






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