君が好きなんて一生言わない。

「清水麗？」

「うちのクラスのやつなんです！まさかこいつが椎先輩と一緒にいるなんて！」


視界が揺れて定まらないからよくは分からないけど、女子達の中に同じクラスの人がいたらしい。

私は顔を少し歪めた。


…困った。今回のことは確実に美紅ちゃんに伝えられる。

そうなったらさらに私を虐める理由ができてしまい、虐めはきっとひどくなる。

心の底の方から握りつぶされていくような苦しい感覚が体中に走る。

クラスメイトから私の話を聞いたらしい女子達は、苛立った表情でさらに追い打ちをかける。


「調子に乗んな、この地味ブス女！」


次の瞬間、冷たい感覚が全身を襲う。


ザバ、と頭上から降ってきたのは水。

どうやら女子がバケツに汲まれていた水を私にぶっかけたらしい。

冷たい風が吹いてきて、私の体温を簡単に奪っていく。


「地味ブスがもっとブスになった！」

「これじゃ人前に出れないね？」


ギャハハと笑う女子達。

寒さと恐怖で震えが止まらない中、声が響いた。




「ねえ、何してるの？」