腹黒執事の極秘任務
程なくして、積まれた荷物が次々に取り払われていった。

「お疲れ様です、大丈夫でしたか?」

「私は全然。中堂さんこそ、運転お疲れ様です。
重そうな荷物まで積んだりおろしたりさせてしまって」

細身であんまり力のなさそうな中堂さんに、これだけの荷物を動かさせてしまっている。
申し訳ない気持ちになってしまった。

「ああ、大丈夫ですよ。
ただのカモフラージュなんで、全部中身は入ってないんですよ」

ほら、とトランクをいくつか開けてみせてくれた。
成程、どれも空っぽだ。

「じゃあ森下君、これ」

中堂さんに渡されたのは、テーマパークの一日フリーパス。

「お嬢様とお友達を、お願いしますね。

あ、18時に出発だと伝えてありますので、その前に戻って来てくださいね」

中堂さんにお礼を言い、俺は車を下りた。
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