腹黒執事の極秘任務
凛が元の水色ワンピースに着替えるのを待って、それから皆の元に戻した。
魔女ワンピースは俺が引き受けている。

凛の様子を遠目に伺う。
佐藤さんにより、体調を崩して医務室にいたことになっていた凛。 

「ジェットコースターが気持ち悪かったかな?」

「凛ちゃん、大丈夫?」

関さんと霧島さんが、凛の顔を覗き込んで心配している。

「だ、大丈夫だよ?」

困ったように笑う凛。

嘘をつかせてしまったな……。

只でさえ隠さなくてはいけない秘密の関係で、友達にまで嘘をつかないと付き合えないなんてな。

俺はため息を吐き出して、それから車に乗り込んだ。
行きと同じように。中堂さんが荷物で俺を隠してくれた。

車を降りて、バレないように部屋に戻った。
よかった、俺が外出していたことはだれにもバレていないようだった。
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