腹黒執事の極秘任務
凛と俺の、夏の決意
「失礼、しますっ!!」

「おいっ! 凛っ!」

今日は一学期の終業式、
明日から夏休みだ。

いつものように二人揃って帰ると、成金男に呼びだされた凛。
奴は突然、彼女に見合いを言い渡した。

相手は有名企業の御曹司。
成金男的には眉唾物だろう。

これで益々自分の株が上がる、とでも思っているのか、ご満悦だ。

凛はそんな父親に嫌悪感丸出しな顔をして、席を立った。

普段穏やかで大人しい凛にしては珍しく、成金男の声を遮り怒鳴り付け、ずんずんと足音を立てて自室へと戻っていった。

俺も成金男に一礼して凛の後を追った。

後ろから凛の母親である、成金男の妻と、凛をなにかと気にかけている田中さんが着いてきた。

凛の部屋の前は、この二人のお陰で暫く大騒ぎだった。
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