腹黒執事の極秘任務
舌打ちしそうな気分になりながらも、取り敢えずボタンを押した。

「もしもし元木さん? 何ですか急に。今ちょっと立て込んでて……」
「見たんだよ、森下くん!」

なにやら興奮気味な元木さんが、俺の言葉を遮り熱く訴えてきた。

「以前森下くん、あの男はなかなか屋敷に帰って来ない、何してるんだろって言ってたよね?!

凛ちゃんと奥さんは仕事忙しいのかなって言ってるって教えてくれたよねっ?!

理由が分かったんだ!
と、言うか見ちゃったんだよ!」

早口で捲し立てるように喋る元木さんに圧倒された。

何があったから、そんなに興奮覚めやらないんだろう?

「落ち着いて下さいよ。
で、何を見たんですか?」
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