腹黒執事の極秘任務
児童養護施設で育った俺としては、何でも揃ってて勝ち組に見えたんだけど、実際は違うようだ。

言うなら、凛は籠の中の鳥。
父親の呪縛の中、まるでペットのよう。

自由に出来ることは極端に少なく、気持ちの折れた彼女は渋々と言いなりだ。

頑張って歯向かっても、あの男に怒鳴り散らされ、男に雇われている使用人は介入してはこない。

母親も然りで、父親の言いなりだ。
屋敷で大人に囲まれながら、凛を誰も守ってはくれない。

この屋敷は、あの男の独裁政権だ。

こないだ会ったばかりの俺が、なんでこんなに内情を知ってるかって、凛が教えてくれるから。

俺を信用しきっている凛は、何でも教えてくれるんだ。
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