腹黒執事の極秘任務
朝、今までよりかなり早目に支度を済ませ、屋敷を出た。

中学校は、施設からは歩いて行けるほど近かったけど、ここからは遠い。
通学でこんなに時間を割くことになるとは。

しかもそれでもギリギリってなんだよ。
チャイムがなる寸前に教室に駆け込んだ俺に、クラスメイトが話しかけて来た。

「おはよ~森下。
お前らしくないな、今日はどうしたよ」

「ちょっとな。
引越して家が遠くなっちゃって、遅くなった」

「え? 引っ越し?
って、ことは新しい家族が……?」

気遣わしげに声のボリュームを落としながらも、気になるのか、そう尋ねられた。
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