腹黒執事の極秘任務
田舎の小さな学校だ。
俺が施設で過ごしていたことを全員が知っているし、噂なんてすぐに広がるし、隠すこともない。

「ま、そんなところ?」

家族じゃないし、ちょっと特殊だけど……と、心の中で付け足す。
説明するのは面倒だ。

「おめでとう、で良いのか?」

言葉に悩む友達に笑って見せる。

気持ちに整理はついたようでついてないけど、おめでたい、かもな。

将来の就職先は見つけたし、嫌でも色々身につくし。

施設の俺の分の負担も減ったし、いずれ恩返しも出来るだろう。

「微妙なラインだけど。
取り敢えず、ありがとう」
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